2026年3月27日 05:52
米連邦地裁、ペンタゴンによるAnthropic禁止令を一時停止

- リタ・リン判事は、ペンタゴン(米国国防総省)がAnthropic社を国家安全保障上のサプライチェーン・リスクと認定することを一時的に差し止める命令を下しました。
- この裁定により、連邦政府機関によるチャットボット「Claude」の使用を禁止したドナルド・トランプ大統領の指示も一時的に停止されます。
- この対立は、Anthropicが自社の技術を致死性自律兵器や米国民の大量監視に使用することを拒否したことに端を発しています。
司法判断と修正第1条の権利
AI企業Anthropicにとって重要な法的勝利となる今回のケースで、サンフランシスコの連邦判事は、同社をサプライチェーン・リスクと見なそうとする国防総省の試みを阻止しました。カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のリタ・リン判事は、政府の行動を「恣意的かつ気まぐれで、裁量権の濫用」であると特徴づけました。判事の命令は、政府全体でAnthropicのAIツールの使用を停止させようとする連邦指令を具体的に停止させるものです。
裁定の中で、リン判事は、米国企業が政府への異議を唱えただけで潜在的な敵対者や破壊工作員というレッテルを貼られるという「オーウェル的(非民主的な監視社会を彷彿とさせる)な考え方」を拒絶しました。さらに判事は、政権の罰則措置は、政府の契約条件を公に批判したことに対する典型的な「合衆国憲法修正第1条への報復」であるように見えると指摘しました。
防衛契約交渉の決裂
この法的紛争は、2025年7月のAnthropicと国防総省の合意にまで遡ります。この合意は、「Claude」を機密ネットワークで使用が承認された最初のフロンティアAIモデルにすることを目指したものでした。しかし、ピート・ヘグセス国防長官率いる国防総省が、制限なしに「あらゆる合法的な目的」でClaudeを使用することを許可するよう要求し、再交渉を迫ったことで、2月に交渉は決裂しました。
Anthropicは、以下の目的でのAI使用に対して断固とした姿勢を崩しませんでした。
- 致死性自律兵器の開発
- 米国民に対する大規模な国内監視
交渉の決裂後、トランプ大統領は2月27日、すべての連邦機関に製品の使用中止を命じ、SNS上で同社が国防総省を「脅迫」しようとしたことは「破滅的な過ち」であると非難しました。
市場への影響と業界のリーダーシップ
今回の裁定は、エンタープライズAI部門を牽引するAnthropicにとって極めて重要なタイミングで下されました。Menlo Venturesのデータによると、2025年時点でAnthropicは32%の市場シェアを保持しており、OpenAIの25%を上回っています。政府による禁止措置が継続されれば、この主導的な地位は深刻に脅かされていたはずです。
今回の判決は、国防総省が法的権限を逸脱したとして3月9日に同社が提起した訴訟を受けたものです。3月24日の公聴会を経て、同社は裁判所の迅速な対応と、自社の主張が認められる可能性が高いと判断されたことに謝意を表明しました。
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